【8/20】施設園芸&ブランド化モデル(熊本・宮崎)の深掘り
2025-08-20・日本農業施設園芸ブランド化熊本宮崎観光
施設園芸&ブランド化モデル(熊本・宮崎)の個別深掘り
1. 熊本の施設園芸モデル
熊本県はトマト・イチゴ・メロンなどの 施設園芸の先進地 として知られています。特に阿蘇地域では豊富な地下水と温暖な気候を活かし、最新のICTや環境制御技術を導入した「次世代型ハウス」が増えています。
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強み
- ICTを活用した温湿度・CO₂制御による高収量
- 「くまもとトマト」「ゆうべに(イチゴ)」といった地域ブランド化の成功
- JAグループによる出荷調整・品質統一
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課題
- 高額な設備投資による初期コスト負担
- 熟練農家の技術を若手にどう伝えるか
- エネルギーコスト高騰への対応
ブランド化事例:トマト「フルティカ」
糖度・品質を厳格に管理し、「くまもとブランド」として全国に流通。量販店や外食産業と直結した販路開拓が進んでいます。
2. 宮崎のブランド化モデル
宮崎県は 「マンゴー」「完熟きんかん」「宮崎牛」 といった強力なブランド戦略で有名です。特に「太陽のタマゴ(マンゴー)」は1玉数万円の高級フルーツとして海外にも輸出されています。
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強み
- 高価格帯市場をターゲットにした差別化戦略
- 徹底した品質基準とストーリー性(太陽・完熟・希少性)
- 観光と連携したブランド体験(収穫体験・直売所・空港PR)
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課題
- 限定的な生産量による供給の不安定さ
- 海外輸送コスト・保存技術の強化が必要
- 後継者不足とブランド維持の持続性
ブランド化事例:「太陽のタマゴ」
糖度15度以上・外観・重さなど厳しい基準をクリアしたマンゴーのみが認定される。メディア露出とギフト需要で全国的に認知度を獲得。
3. 熊本×宮崎の比較ポイント
4. 学べるポイントと今後の展望
- 熊本モデル:効率化・ICT化・協業化に強み → 日本農業の「量」を支える先進モデル。
- 宮崎モデル:ブランド戦略・高価格市場に強み → 日本農業の「価値」を高める象徴的モデル。
👉 両県の成功事例を組み合わせることで、今後は「効率性 × 付加価値」の二本柱を持つ農業経営が可能になります。海外輸出を見据えた場合も、この両輪戦略が重要となるでしょう。