伝統＆観光モデルの深掘り（静岡・新潟・長野）
2025-08-19
はじめに
日本各地の観光戦略の中でも注目されるのが、「伝統産業と観光の融合」です。
今回はその代表例として、静岡・新潟・長野を取り上げ、それぞれの地域の特徴を深掘りしていきます。
1. 静岡モデル：茶文化 × 観光
- 基盤産業: 日本一の茶産地。牧之原台地や掛川を中心に大規模な茶園が広がる。
- 観光要素: 富士山・温泉・駿河湾など、世界的観光資源を背景に「茶畑ビュー観光」や「茶摘み体験」が人気。
- 特徴:
- 茶文化体験（抹茶・煎茶の淹れ方教室）
- 茶と食文化の融合（静岡おでん×緑茶、茶スイーツ）
- 課題: 農家の高齢化、輸出市場開拓の必要性。
2. 新潟モデル：酒蔵文化 × 観光
- 基盤産業: 米どころ・日本酒王国。約90の酒蔵を有する。
- 観光要素: 酒蔵見学ツアー、雪国体験、伝統工芸（漆器・織物）。
- 特徴:
- 日本酒試飲と蔵元ツーリズム
- 雪室（ゆきむろ）貯蔵や発酵文化を活かした体験型観光
- 課題: 観光の季節依存性、若者の酒離れ。
3. 長野モデル：信州文化 × 観光
- 基盤産業: そば・味噌・果樹栽培など。
- 観光要素: 善光寺、松本城、温泉（野沢・白骨）、北アルプス登山・アウトドア。
- 特徴:
- そば打ち体験・味噌蔵見学
- 四季の観光資源（スキー、トレッキング、温泉）
- 課題: 二次交通の整備不足、都市圏からのアクセス格差。
4. 3県に共通する強みと課題
- 共通の強み
- 「伝統産業 × 観光」の融合により地域ブランドを強化
- 体験型観光によるリピーター創出
- 共通の課題
- 担い手不足（農業・工芸の後継者問題）
- インバウンド需要の変動（円相場や国際情勢の影響を受けやすい）
まとめ
静岡・新潟・長野の3県は、それぞれの伝統産業を観光に結び付けることで、地域の魅力を国内外に発信しています。
一方で、持続可能性や担い手不足といった課題も共通しています。