日本茶と血圧の関係 ― 健康維持に役立つ理由
2025-08-19・日本茶健康栄養予防医学
導入
現代人にとって「高血圧」は生活習慣病の代表的なリスクの一つです。
薬に頼るだけでなく、日常の食生活や飲み物から予防・改善のヒントを得たいと考える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、日本茶と血圧の関係について科学的なデータをもとに解説し、日常生活に役立つポイントをまとめます。
日本茶に含まれる成分と血圧への影響
1. カテキン(特にエピガロカテキンガレート:EGCG)
- 血管内皮機能を改善し、血流をスムーズにする作用があると報告されています。
- 抗酸化作用により、動脈硬化の進行を抑える効果も期待されています。
- 一部研究では、継続的に緑茶を飲む人は高血圧の発症リスクが低いとされています【参考:厚生労働省 e-ヘルスネット】。
2. カフェイン
- 一時的に血圧を上げる作用がありますが、常飲者ではその影響が小さくなることが知られています。
- 適量であれば覚醒作用や代謝促進のメリットも期待できます。
- 日本茶はコーヒーよりカフェイン含有量が少なく、安心して日常的に飲みやすい飲料です。
3. テアニン
- リラックス効果により交感神経の過剰な働きを抑えるため、結果として血圧安定に寄与する可能性があります。
- 精神的ストレス由来の高血圧に特に有効と考えられています。
研究から見る日本茶と血圧の関連性
- 日本国内の疫学調査では、緑茶を1日3杯以上飲む人は高血圧リスクが低下する傾向があると報告されています。
- 一方で、体質や飲み方によっては効果が限定的な場合もあり、「食事・運動とのバランス」が大切です。
- WHOやアメリカ心臓協会でも、抗酸化物質を含む飲料の健康効果が注目されており、日本茶もその一例といえます。
日常生活への取り入れ方
- 食後に煎茶や玉露を楽しむことで、脂質や塩分の吸収を緩やかに。
- リラックスタイムにはカフェインの少ないほうじ茶や玄米茶を活用。
- 夜はデカフェ緑茶や麦茶で、血圧を気にせず安心して飲めます。
まとめ
日本茶は、カテキン・テアニン・カフェインなど多様な成分が複合的に働き、血圧管理に役立つ可能性があります。
ただし、「飲めば必ず下がる」わけではなく、あくまで食生活全体や生活習慣とあわせて取り入れることが重要です。
👉 健康維持を意識する方は、日常的にバランスよく日本茶を楽しむことをおすすめします。
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「カテキン」
- 日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2025』
- Journal of Nutrition, 2020; 150(9): 2323–2331.