緑茶・コーヒー・紅茶の健康効果比較:カフェイン・抗酸化作用・リラックス効果
2025-07-31・健康栄養予防医学緑茶カフェイン
はじめに
日常的に飲まれている緑茶・コーヒー・紅茶。どれも健康によいとされますが、実際に含まれる成分や作用には大きな違いがあります。本記事では、特にカフェイン量・抗酸化作用・リラックス効果の3つに注目し、科学的データをもとに比較します。
1. カフェイン量の比較
緑茶(煎茶)
- カフェイン:約20mg(100mlあたり)
- 穏やかな覚醒作用
- テアニンとの相乗効果で集中力維持
紅茶
- カフェイン:約30mg(100mlあたり)
- コーヒーの半分程度
- 香りによるリラックス効果、刺激はマイルド
コーヒー
- カフェイン:約60mg(100mlあたり)
- 強い覚醒作用
- 集中力・持続力を高めるが、摂りすぎ注意
2. 抗酸化作用の比較(ポリフェノール含有量)
緑茶
- 主成分:カテキン(特にEGCG)
- 強力な抗酸化作用、脂肪燃焼促進、抗菌作用
紅茶
- 主成分:テアフラビン・テアルビジン
- 血糖値上昇抑制、抗菌作用
コーヒー
- 主成分:クロロゲン酸
- 血糖値コントロール、肝機能保護作用
3. リラックス効果の比較
- 緑茶:テアニンが脳波(α波)を増やし、ストレス緩和・集中力維持に貢献
- 紅茶:香り成分リナロールなどが気分を落ち着ける
- コーヒー:香りによるリフレッシュ感はあるが、カフェインが多く夜間摂取は不向き
まとめ
- 覚醒作用重視ならコーヒー、穏やかな集中力維持なら緑茶
- 抗酸化力ではEGCG豊富な緑茶が特に優秀
- リラックス+覚醒のバランスを求めるなら緑茶が最適
出典
- Kuriyama, S. et al. (2006). Green tea consumption and mortality due to cardiovascular disease, cancer, and all causes in Japan. JAMA, 296(10), 1255–1265.
- Matsumoto, C. et al. (2011). Catechin content and antioxidative activities of green tea, oolong tea, and black tea. Journal of Agricultural and Food Chemistry, 59(11), 6088–6093.
- Juneja, L. R., et al. (1999). L-theanine—a unique amino acid of green tea and its relaxation effect in humans. Trends in Food Science & Technology, 10(6-7), 199–204.
- 食品安全委員会「カフェインの安全性に関する評価」(2015)