日本茶と水質 ― 硬度と味わいの関係
2025-09-11・日本茶水質硬度味わい淹れ方
はじめに
「同じ茶葉なのに、場所によって味が違う」
そんな経験はありませんか?
実はその違いを大きく左右しているのが 水質 です。
特に日本茶は水の硬度によって味わいが変わるため、
水選びはとても大切なポイントになります。
1. 水の硬度とは?
水の硬度は カルシウムとマグネシウムの量 で決まります。
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軟水(0〜100mg/L程度)
→ 口当たりが柔らかく、日本茶の旨味を引き出しやすい。 -
硬水(100mg/L以上)
→ ミネラルが多く、渋みや苦味が強くなりやすい。
日本は軟水が多いため、日本茶文化が発展したとも言われています。
2. 水質と日本茶の味わい
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軟水 × 煎茶・玉露
→ 旨味と甘味が引き立ち、まろやかな味わいに。 -
硬水 × 煎茶
→ 渋みが強調され、バランスが崩れやすい。 -
抹茶の場合
→ 軟水だと滑らか、硬水だと粉っぽさを感じやすい。
つまり、茶種に関わらず 軟水が日本茶に最適 といえます。
3. 家庭でできる工夫
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水道水を使うとき
→ 汲んでから一度沸騰させ、塩素を飛ばす。
→ 冷ましてからお茶に使うと良い。 -
ミネラルウォーターを選ぶとき
→ ラベルに「軟水」「硬度30〜80mg/L」と書かれたものがおすすめ。 -
冷茶を作るとき
→ 冷蔵庫で低温抽出すると、渋みを抑えて甘味が引き立つ。
4. 水質の違いを楽しむ
実際に「同じ茶葉を異なる水で淹れる」と、
驚くほど味が変わることがあります。
- 軟水 → まろやかで飲みやすい
- 硬水 → シャープで苦味が強い
テイスティング感覚で試すと、日本茶の奥深さを実感できます。
まとめ
- 日本茶は 軟水が最適。旨味や甘味をしっかり引き出せる。
- 硬水では渋みや苦味が強まり、繊細な味わいが損なわれやすい。
- 家庭でも「沸かす」「水を選ぶ」といった工夫で、
お茶の美味しさがぐっと引き立つ。
水質を意識するだけで、いつものお茶がもっと美味しくなります。
参考文献
- 農林水産省「日本茶の淹れ方と水」
- 日本茶業中央会『日本茶の事典』
- 水道局・ミネラルウォーター協会資料