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水質と日本茶(軟水・硬水による味わいの違い)

2025-08-24日本茶茶文化水質硬水軟水

はじめに

日本茶を淹れる際に欠かせないのが「水」です。実は、日本茶の味わいは水質に大きく左右されます。特に日本の水は「軟水」が多く、これが日本茶文化を支えてきました。一方で、ヨーロッパなど海外では「硬水」が多いため、日本茶の味が本来の魅力を発揮できないこともあります。本記事では、軟水と硬水の違いが日本茶に与える影響を解説します。


1. 軟水と硬水の違いとは?

水質は「硬度」で分類され、カルシウムやマグネシウムの含有量によって決まります。

  • 軟水(硬度0〜100mg/L程度):日本の水道水や湧き水の多くが該当
  • 硬水(硬度100mg/L以上):ヨーロッパ、南米、中東などに多い

軟水はミネラル分が少なく、味が柔らかいのが特徴。硬水はミネラルが多く、少し重たい口当たりになります。


2. 日本茶と軟水の相性

  • 日本茶の繊細な旨味(テアニン)や香り成分が引き出されやすい
  • 渋味や苦味の原因となるカテキンが過剰に抽出されにくい
  • 水色(すいしょく)が澄み、透明感のある美しい緑色になる

そのため、日本茶は軟水で淹れるのが最も適しているといわれています。


3. 硬水で淹れた場合の特徴

  • ミネラル成分がカテキンやタンニンと結合しやすく、渋みが強調される
  • 水色が濁りやすく、本来の鮮やかさが損なわれる
  • 煎茶や玉露では風味が落ち、ほうじ茶のように香りが強い茶では比較的飲みやすい

海外で日本茶を淹れて「味が違う」と感じるのは、水質の影響が大きいのです。


4. 海外で日本茶を楽しむ工夫

  • ミネラルウォーターを選ぶ場合は「軟水タイプ(硬度100mg/L以下)」を選ぶ
  • 浄水器やフィルターを使って水の硬度を下げる
  • 硬水しかない地域では、ほうじ茶や玄米茶など香ばしさの強い茶を選ぶと飲みやすい

まとめ

日本茶は水質によって大きく味が変わります。

  • 日本の水(軟水)は日本茶の繊細な香味を引き出す
  • 硬水では渋みや濁りが強まりやすい
  • 海外で楽しむ場合は、軟水を選ぶか香ばしい茶種を選ぶのがおすすめ

水と茶葉、この2つのバランスが、日本茶を最大限に楽しむための鍵なのです。