日本茶の等級と審査基準を徹底解説
2025-08-16・日本茶茶文化煎茶茶道
はじめに
日本茶は一見すると同じように見えても、その品質や価値には大きな差があります。その違いを明確に示すのが「等級」と「審査基準」です。
実際にお茶の取引市場では、専門の鑑定士が厳格な基準で茶葉を評価し、価格や格付けが決定されます。これは日本茶インストラクター試験でも頻出のテーマです。今回は、その等級と審査基準について詳しく解説します。
1. 日本茶の等級とは?
日本茶の等級とは、茶葉の品質を総合的に評価したランクを指します。市場や取引先では、等級が価格の基準にもなります。等級は主に以下の観点で決まります。
- 外観(形状・色沢)
- 香気(香り)
- 水色(抽出液の色)
- 滋味(味わい)
この4項目は「審査四項目」と呼ばれ、日本茶鑑定の基本です。
2. 外観(形状・色沢)
外観の評価は、茶葉の形や色艶を観察して行います。
- 形状:針のように細く整っているものが高評価。砕けや粉が多いと減点。
- 色沢:鮮やかな濃緑色が理想的。赤みや黄色味があると品質劣化の可能性。
外観は市場に出回る際の第一印象を決める重要な要素です。
3. 香気(香り)
香気は、茶葉を熱湯で抽出したときに立ち上る香りを評価します。
- 新鮮で爽やか、清涼感のある香りが高評価。
- 古い茶葉や保存状態が悪いと「火香」「枯れ香」と呼ばれる不快な匂いが出る。
- 玉露やかぶせ茶では覆い香(おおいか)と呼ばれる特有の旨み香が評価対象となる。
香りは茶の個性を最も強く感じられるポイントです。
4. 水色(すいしょく)
水色とは、茶を淹れたときの抽出液の色のことです。
- 高級煎茶:透明感のある黄金色〜黄緑色
- 玉露:鮮やかな濃い緑色
- 劣化した茶葉:赤みや濁りが出る
見た目の美しさは、飲む前からの期待感につながります。
5. 滋味(味わい)
滋味は、実際に茶を口に含んだときの総合的な味わいです。
- 旨味(テアニン、グルタミン酸など)
- 渋味(カテキン類)
- 苦味(カフェイン)
- 甘味(多糖類など)
バランスが取れているほど高評価となります。特に玉露や高級煎茶は旨味が豊富で、上質なまろやかさが特徴です。
まとめ
日本茶の等級は、外観・香気・水色・滋味の4つの観点から決まります。これらの審査基準は単なる学問ではなく、実際に市場価格や消費者評価に直結する重要な要素です。
試験対策としては、この「四項目の定義と評価ポイント」を正確に理解しておくことが大切です。普段のお茶選びにも役立つ知識ですので、ぜひ覚えておきましょう。