日本茶に含まれるカフェインと健康効果
2025-08-16・日本茶健康カフェイン茶文化
導入
日本茶といえば「カフェイン」を思い浮かべる方も多いでしょう。コーヒーに比べて穏やかな作用を持つカフェインは、日本茶を飲む人々の生活や文化の中で大きな役割を果たしてきました。本記事では、日本茶に含まれるカフェインの特徴や健康効果について詳しく解説します。
1. 日本茶のカフェイン含有量
カフェインは茶葉の種類や淹れ方によって大きく異なります。
- 玉露:最も多く含まれ、100mlあたり約120mg程度
- 煎茶:中程度で、100mlあたり約20〜40mg
- ほうじ茶・番茶:比較的少なく、10mg前後
- 抹茶:茶葉をそのまま摂取するため、多くのカフェインを含む
同じ「日本茶」でも、飲む種類によってカフェイン量に差があるため、用途や体調に合わせた飲み分けが可能です。
2. カフェインの主な作用
カフェインはただの「眠気覚まし」ではありません。体に以下のような働きをもたらします。
- 覚醒作用
脳内のアデノシン受容体を阻害し、眠気を抑える効果があります。 - 集中力向上
適量のカフェインは作業効率や注意力を高めます。 - 代謝促進
脂肪燃焼を助け、運動時のパフォーマンスを高める効果が期待されます。 - 利尿作用
老廃物の排出を助ける働きがあります。
3. 日本茶ならではの特徴:カフェインとテアニンの相乗効果
コーヒーやエナジードリンクと違い、日本茶のカフェインは「テアニン」と共に存在する点が特徴です。
- テアニンのリラックス効果がカフェインの興奮作用を和らげるため、心地よい覚醒状態を保てます。
- 集中とリラックスを同時に得られるため、**「勉強や仕事のお供」**として最適といえます。
4. 摂取の注意点
- 一度に大量に摂取すると、動悸や不眠の原因になることがあります。
- 成人の目安は 1日あたり400mg以下(煎茶で約10杯程度)。
- 子どもや妊娠中の方は摂取量に特に注意が必要です。
まとめ
日本茶に含まれるカフェインは、覚醒・集中・代謝促進といった多様な効果を持ちながら、テアニンとの相乗効果によって「穏やかな覚醒感」をもたらします。コーヒーの刺激が強すぎると感じる方や、仕事・勉強に集中したい方にとって、日本茶は理想的な飲み物といえるでしょう。
参考文献
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの健康影響」
- 日本茶業中央会『日本茶の科学』
- EFSA(欧州食品安全機関)「Caffeine safety assessment」