日本茶の美味しさはどこからくる?味覚・香り・水の秘密
2025-08-01・日本茶味覚香り水お茶の淹れ方
お茶を淹れて「なんだかいつもと味が違う」と感じたことはありませんか?
実は、日本茶の美味しさは**茶葉の質だけでなく、「味覚」「香り」「水」**の3つの要素に大きく左右されます【1】。
今回は、専門的な知識と信頼できる資料を参考に、日本茶をより美味しく楽しむためのポイントをご紹介します。
味覚:お茶の基本の「五味」
日本茶の味わいは、5つの味覚のバランスで成り立っています【2】。
- 甘味(テアニン由来)
穏やかでやさしい甘さ。高級茶や玉露に多い。 - 旨味(アミノ酸類)
舌に広がる深いコク。美味しいお茶の決め手。 - 渋味(カテキン)
さっぱり感や爽快感をもたらす。飲みすぎると苦く感じることも。 - 苦味(カフェイン)
後味のキレを生む。煎茶や玉露で感じられる。 - 酸味(発酵由来)
ほうじ茶や一部の発酵茶でほのかに感じられる。
このバランスを理解すると、自分の好みに合ったお茶を選びやすくなります。
香り:お茶の個性を決める要素
香りは、茶葉の品種や加工方法によって大きく異なります【3】。
- 新鮮な青葉の香り(煎茶)
- 海苔のような香り(玉露)
- 香ばしい香り(ほうじ茶)
- 花や果物のような香り(一部の高級茶)
香りを堪能するには、湯呑みや急須に顔を近づけて深く息を吸うのがおすすめです。
水:お茶の味を変える最も身近な要因
同じ茶葉でも、水が違えば味が変わります【4】。
お茶に適しているのは軟水(カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない水)です。
水質の分類と相性
| 水の種類 | 特徴 | お茶との相性 | |----------|------|--------------| | 軟水(0〜60mg/L) | まろやか、味を邪魔しない | ◎ | | 中硬水(60〜120mg/L) | ややミネラル感あり | △ | | 硬水(120mg/L〜) | ミネラル多く味が重くなる | × |
ペットボトルの水を使うなら日本国内の軟水を選びましょう。
水道水の場合は、一度沸騰させてカルキを飛ばすのが基本です。
美味しく淹れるためのワンポイント
- 茶葉ごとの適正温度を守る(玉露は50〜60℃、煎茶は70〜80℃)
- 急須や湯呑みは温めておく
- 最初の一滴から最後の一滴まで均等に注ぐ
まとめ
- 味覚:甘味・旨味・渋味・苦味・酸味のバランスが重要
- 香り:品種・製法ごとに個性がある
- 水:軟水がベスト。水質で味が大きく変わる
この3つを意識するだけで、普段のお茶が驚くほど美味しくなります。
次回は、日本茶の種類と特徴について詳しく解説します。
出典
- 日本茶インストラクター協会『日本茶のすべてがわかる本』淡交社, 2021
- 農林水産省「日本茶の成分と機能」https://www.maff.go.jp/
- 静岡県茶業研究センター「日本茶の香気成分について」
- 日本茶業中央会「日本茶のいれ方と水の選び方」