お茶はどう作られるの?栽培から製造までをやさしく解説
「日本茶って、どうやって作られるの?」
日々の暮らしに欠かせないお茶。でもその栽培や製造方法については、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、茶畑での栽培から製造工程まで、日本茶がどのようにして皆さんのもとに届くのかを、やさしくご紹介します。
茶畑からはじまる日本茶の旅
日本茶は、**チャノキ(茶の木)**という常緑樹の葉を摘んで作られます。
栽培が盛んな地域には、静岡、鹿児島、三重などがあり、日当たりや霧の多さなどが品質に大きく影響します。
栽培で大切なこと
- 被覆栽培(ひふくさいばい):日光を遮って育てることで旨味成分(テアニン)を多く含む
→ 抹茶や玉露に使われる - 露地栽培(ろじさいばい):自然のままに育てる
→ 煎茶などに使われる
摘採(てきさい:茶葉の収穫)は、**一番茶(春)・二番茶(初夏)・三番茶(夏)**など、年に数回行われますが、品質が最も高いのは「一番茶」です。
茶葉の収穫とそのタイミング
収穫時期は地域によって異なりますが、多くは4月中旬〜5月中旬に「一番茶」が摘まれます。
茶摘み歌にあるように、**八十八夜(立春から88日目、5月2日前後)**が美味しいお茶の目安とされています。
手摘み vs 機械摘み
- 手摘み:品質が高く、主に高級茶に使われる
- 機械摘み:大量生産に向いており、現在は主流
製造の工程:お茶はどうやって加工されるの?
茶葉の収穫後はすぐに工場に運ばれ、**「荒茶(あらちゃ)」**と呼ばれる状態まで加工されます。
製法によって煎茶・抹茶・玉露・ほうじ茶などに分かれますが、ここでは煎茶の一般的な流れをご紹介します。
🍵 煎茶の主な製造工程
-
蒸す(90〜120秒)
→ 酵素の働きを止め、発酵を防ぐ(日本茶の大きな特徴) -
揉む(もむ)
→ 水分を飛ばしながら、形を整える -
乾燥させる
→ 香りや味を安定させる -
仕上げ加工(火入れ・選別など)
→ お店で販売される前の最終工程
※この段階で「茎茶」「粉茶」「芽茶」なども選別されます。
抹茶はどうやってできるの?
抹茶は、先ほどの煎茶と製法が少し異なります。
- 被覆栽培された茶葉(碾茶・てんちゃ)を蒸す
- 葉脈や茎を取り除き、乾燥
- 石臼で細かく挽いて粉末状にする
つまり「粉にしてある」から抹茶なのではなく、育て方と加工方法が全く違うのです。
まとめ:日本茶は「自然」と「技術」の結晶
日本茶は、単なる飲み物ではなく、自然と人の知恵が融合した文化です。
栽培から収穫、製造まで、すべての工程に丁寧な手仕事と工夫が詰まっています。
次回は、日本茶の種類とそれぞれの特徴について、詳しくご紹介していきます。
煎茶や抹茶の違いが気になる方は、ぜひご覧ください。